バッキーさんのコト。
2005年 09月 23日
と言っても、バッキー木場とかではない。知らなかったらいいです。
実家に、シーズーの♂11才がいる。あれ12才か、いや13才になったっけ?えっと、アタシがあれこれのとき生まれたのを貰ってきたんだから、えっと、11才、タブン。自分の出来事とリンクさせるとどうもはっきりしない。要するにもうじいちゃん犬である。
そのころ私は一人暮らしのOLさんだったが、ヤレビデオの接続ができねえとか、ヤレテレビの調子がどうだとか、電気関係でいつも実家に呼び出されていた。
前からうちのカーチャンは「犬が欲しい」と言い続けており、あまりにもしつこいので、トーチャンに小さな白い犬のぬいぐるみを与えられ、「バッキー」と名付けて可愛がっていた。ちっちゃい白いかわいいぬいぐるみ、こんな犬じゃなくてさあ、もっとでかいの飼えよ!ドーベルマンとかいいんじゃねえ?ハスキーは毛皮が分厚いから関東地方で飼うのは大変だぜ、じゃあ後はそうだな、グレートピレニーズ!あれはかわいいぜえ!と、ひたすらでかいのを勧めていた。
そんなある日、カーチャンから一本の電話。ちょっと聞いてよ、と、まるで文句を言うかのような台詞であるくせに、声は弾んでいる。悪い事があった様子ではない。
流石にすべての台詞を覚えているわけはないからおおまかに概要だけ説明する。
夜中、トーチャンから電話がかかってきた。トーチャンはそのとき麻雀に行っていたと言う。で、「今から犬連れて帰る」さてカーチャン大あわて。「連れて帰るってどうしたの」「どこに寝かせるの」トーチャンはそんなことには無頓着だ。犬が欲しいって言っていた、だからいつであろうと突然連れて帰る。それがうちのトーチャンだ。
どうやらその犬は、前にトーチャンの友達の所に行く予定であったらしい。友達は飼い始めた犬をすぐに無くし、代わりの犬を持つ気力も無くし、代わりとして連れてこられたその犬を、育てていくのが辛くなったようだ。どうやらその犬は体がとても弱い。
そこで、トーチャンは、超格安でその犬を譲り受けることになった。その格安、と言うところに恐らく麻雀がからんでいるのだろうが、そこは突っ込まない事にする。
で、麻雀をうちながら、その犬はトーチャンの膝の上で、ぽん、とかロン、とか言う声や、がちゃがちゃうるさい牌の音を聞いて体を震わせていたと言う。
家に着いて早速その犬は辺りを嗅ぎ回り、当然のようにバッキー(2代目)と言う名を与えられ、おびえ、カーチャンの寝床に潜り込んだ。ちなみにこの癖は今も変わっていない。
電話を貰った私が目にしたのは、畳の上を旨く歩けず、こけつまびろつして挨拶に現れた小さな白いシーズー。ちっちゃくて、情けない顔をしていて、おそるおそる私の手の匂いを嗅ぎ、足下をくるくる周り、意外と元気よく「わん!」とご挨拶できた。
しばらく経つと意外と根性の太い犬であり、人のみぞおちをジャンプ台にして飛び回ったり、テーブルの上にはい上がって、トーチャンの愛蔵レイバンのサングラスを粉々にしてみたり、トーチャンの秘蔵ダンヒルのベルトをぼろぼろにしてみたり、色々悪さをしたりする。
ところが、一緒に散歩に出ると、大きな犬にたいそうおびえ、吠えられて腰を抜かして抱っこをせがんでみたり、つながれていると思ってからかっていた犬の鎖が笑っちゃうほど長く、必死になって私に駆け上がってきたり、爪を折って動物病院に連れて行かれ、お医者さんに「ここまでおびえる犬は初めてです」と苦笑されて精神安定剤を打たれたり、貧弱な精神の持ち主であることもわかった。
今年、彼は何度も訪れた台風と雷におびえ、カーチャンのTシャツに潜り込んだまま散歩の後半を終えて、ご近所の失笑を買ったりしていたらしい。
実家に帰ったら、私はまず、バッキーさんに挨拶する。電話をすると、必ずバッキーさんの様子を聞く。とてもバッキーさんに会いたい。彼の目が全く見えなくなって、私の声を頼りに生活し始めてから、私はバッキーの目になっているつもりであったが、彼の方は私の心のよりどころになっていた。だから、とてもバッキーに会いたい。
今頃涼しくなってきて、元気に胸を張って散歩しているのだろうが、どぶに落ちてないかしらとか、電柱に激突してないかしらとか、ふと、思い浮かべてため息をついたりしているのだ。
実家に、シーズーの♂11才がいる。あれ12才か、いや13才になったっけ?えっと、アタシがあれこれのとき生まれたのを貰ってきたんだから、えっと、11才、タブン。自分の出来事とリンクさせるとどうもはっきりしない。要するにもうじいちゃん犬である。
そのころ私は一人暮らしのOLさんだったが、ヤレビデオの接続ができねえとか、ヤレテレビの調子がどうだとか、電気関係でいつも実家に呼び出されていた。
前からうちのカーチャンは「犬が欲しい」と言い続けており、あまりにもしつこいので、トーチャンに小さな白い犬のぬいぐるみを与えられ、「バッキー」と名付けて可愛がっていた。ちっちゃい白いかわいいぬいぐるみ、こんな犬じゃなくてさあ、もっとでかいの飼えよ!ドーベルマンとかいいんじゃねえ?ハスキーは毛皮が分厚いから関東地方で飼うのは大変だぜ、じゃあ後はそうだな、グレートピレニーズ!あれはかわいいぜえ!と、ひたすらでかいのを勧めていた。
そんなある日、カーチャンから一本の電話。ちょっと聞いてよ、と、まるで文句を言うかのような台詞であるくせに、声は弾んでいる。悪い事があった様子ではない。
流石にすべての台詞を覚えているわけはないからおおまかに概要だけ説明する。
夜中、トーチャンから電話がかかってきた。トーチャンはそのとき麻雀に行っていたと言う。で、「今から犬連れて帰る」さてカーチャン大あわて。「連れて帰るってどうしたの」「どこに寝かせるの」トーチャンはそんなことには無頓着だ。犬が欲しいって言っていた、だからいつであろうと突然連れて帰る。それがうちのトーチャンだ。
どうやらその犬は、前にトーチャンの友達の所に行く予定であったらしい。友達は飼い始めた犬をすぐに無くし、代わりの犬を持つ気力も無くし、代わりとして連れてこられたその犬を、育てていくのが辛くなったようだ。どうやらその犬は体がとても弱い。
そこで、トーチャンは、超格安でその犬を譲り受けることになった。その格安、と言うところに恐らく麻雀がからんでいるのだろうが、そこは突っ込まない事にする。
で、麻雀をうちながら、その犬はトーチャンの膝の上で、ぽん、とかロン、とか言う声や、がちゃがちゃうるさい牌の音を聞いて体を震わせていたと言う。
家に着いて早速その犬は辺りを嗅ぎ回り、当然のようにバッキー(2代目)と言う名を与えられ、おびえ、カーチャンの寝床に潜り込んだ。ちなみにこの癖は今も変わっていない。
電話を貰った私が目にしたのは、畳の上を旨く歩けず、こけつまびろつして挨拶に現れた小さな白いシーズー。ちっちゃくて、情けない顔をしていて、おそるおそる私の手の匂いを嗅ぎ、足下をくるくる周り、意外と元気よく「わん!」とご挨拶できた。
しばらく経つと意外と根性の太い犬であり、人のみぞおちをジャンプ台にして飛び回ったり、テーブルの上にはい上がって、トーチャンの愛蔵レイバンのサングラスを粉々にしてみたり、トーチャンの秘蔵ダンヒルのベルトをぼろぼろにしてみたり、色々悪さをしたりする。
ところが、一緒に散歩に出ると、大きな犬にたいそうおびえ、吠えられて腰を抜かして抱っこをせがんでみたり、つながれていると思ってからかっていた犬の鎖が笑っちゃうほど長く、必死になって私に駆け上がってきたり、爪を折って動物病院に連れて行かれ、お医者さんに「ここまでおびえる犬は初めてです」と苦笑されて精神安定剤を打たれたり、貧弱な精神の持ち主であることもわかった。
今年、彼は何度も訪れた台風と雷におびえ、カーチャンのTシャツに潜り込んだまま散歩の後半を終えて、ご近所の失笑を買ったりしていたらしい。
実家に帰ったら、私はまず、バッキーさんに挨拶する。電話をすると、必ずバッキーさんの様子を聞く。とてもバッキーさんに会いたい。彼の目が全く見えなくなって、私の声を頼りに生活し始めてから、私はバッキーの目になっているつもりであったが、彼の方は私の心のよりどころになっていた。だから、とてもバッキーに会いたい。
今頃涼しくなってきて、元気に胸を張って散歩しているのだろうが、どぶに落ちてないかしらとか、電柱に激突してないかしらとか、ふと、思い浮かべてため息をついたりしているのだ。
by bakiwan
| 2005-09-23 14:41
| グダグダと。